あの時言えなかったことを言う方法〜その2〜
昨日の続きです。
step1では言いたかったことを紙に書き出しました。
step2では、書いたものが読めるレベルになっていること。
なおかつ「言えなかったこと」で言い残すことのないように全てを書きつくすことをしました。
また、書き尽くした文章を読んでも
「ふむふむ、なるほどね〜。この時の私はそう思っちゃっても仕方ないよね」と
心が乱されることなく自然とそう思える状態にしました。
今日からはその次のステップに進んでいきます。
step3、書いたものを客観的に見直し、分析しよう
ここからは具体的にするために、昨日私の書いた例を見てみます。
少し長くなりますがお付き合いください。
<step1で書き出したこと>
例:は?ありえないんだけど!ドタキャンとか人として最低の行為なんだけど!?
しかも仕事関係でまた私と会うのにフォローもなしとかこいつ馬鹿じゃね?
ってか●ねばいいのにクソ野郎!お前の上司にチクってやろうか!」
これを見直して添削していくわけですが、具体的に何をどうするのかを先に説明したいと思います。
まず、この紙に書くという作業をしたのは
「あの時言えなかったことを相手に伝えたい、私のことをわかってもらいたい」
という目標からでした。
当然ながら紙に書いたまんまを相手に言うことはできませんよね(笑)
仮にこのまま伝えたとしても、相手との未来は永遠についえてしまうことは明白です。
なので紙に書きなぐり何度も書き直したくらい激しい感情があったにもかかわらず、
まずはそれを自分の中に収めてあげられたご自身のことをめいいっぱい褒めてあげてください。
大切なことなので何回も言いますが、自分を十分ヨシヨシしてあげてください。
ヨシヨシし終わったら、いよいよここからは分析に入ります。
分析で行うのは主に下の四つです。
1、「その時に私が感じていたこと」と客観的な事実を書き出す。
2、書き出していくうちに気がついたことがあれば、それも書く。
3、気持ちと事実がかみ合わなくてもいったん受け入れる。
4、今後その相手とどうなりたいのか、ありのままの気持ちを書く。
1、「その時に私が感じていたこと」と客観的な事実を書き出す。
では、このstep1で書き出した文を見ながら具体的にどう分析していくかご覧下さい。
例:
は?ありえないんだけど!ドタキャンとか人として最低の行為なんだけど!?
(1)「ドタキャンすること」は「ありえない」「人として最低」と私は思った。
…客観的事実:相手はドタキャンした。
理由は「急に仕事が入ったから」だとメールが来た。
ここで、私はあることに気がつきます。
2、書き出していくうちに気がついたことがあれば、それも書く。
「急に仕事が入った」って、
絶対ウソじゃね!?
と、ドタキャンされた当時も、実はこの記事を書いている今でも(笑)
頑なにそう思っている私がいる、ということに。。。
ですが、賢い私はこうも思います。
でもさ、本当に仕事が入ったかもしれなくない?
しかもその日、彼が本当に仕事だったかどうかなんて確認する方法、私にはなくない?
ナイスクレバー!
怒涛の感情に流されている間にも、冷静なもう一人の私がこう囁くわけです。
この記事を読んでいる人の中には、
怒りに任せて言いたいことを言えずに飲み込んでしまい、
後から「ああ言っておけば良かった」と後悔して苦しい思いをされることがある人が多いのかなと勝手に思っているのですが、
そういう方の長所なんです、この「冷静なもう一人の私」の声は。
そしてきっと、優しい人なんだと思います。
湧き上がる感情のままに言葉を放ってしまえば、
相手はきっと傷つくだろうって自然と考えてしまえる人だから。
で、たった一つの文章でこれだけのことが出てきたわけです。
それをどうするか?
それは、そのまま紙の横っちょに書きましょう。
もうスペースがないよって人は別紙でちゃんと書き留めておきます。
例えばこんな風に。
<仕事が入ったからドタキャンと言われたが、私はそれを信じなかった>
<けれど本当に仕事だったかどうか、確認する手段は私にはない>
そっか〜、じゃあ、彼を信じよう!
とか瞬時に判断してしまった人は要注意ですよ!
ダメダメ!
何のために<彼のことを信じられなかった私>がいるんでしょうか。
この<彼を信じられない私>は100%悪い子ですか?
そんなに悪い考え方ですか?
あなたが<彼のことをどこか信じられない>という気持ちが湧き上がる理由が、
何かきっとあったと思うんです。
それを思い出しましょう。
辛くても。
さあ、思い出すんだ…!!
3、気持ちと事実がかみ合わなくてもいったん受け入れる。
思い出せましたか?
・彼に、実は最初からどこか軽薄さを感じていたところ。
・「この人、何かちょっと引っかかるなあ。何て思っていた私」はいませんでしたか?
私は、いました(笑)
めちゃくちゃたくさんいましたし、怪しい要素がたくさんありました。
例えばこんな感じです。
・日時の約束を決めようとラインのやり取りをすると、連絡が何日も途絶えた。
・そもそも私からラインをすることが多かった。いつも私のラインで終わっていた。
・仕事関係の連絡だと比較的スムーズに返信が来るけど、
プライベートな内容や約束のことに触れると途端に返信が来なくなる。(あるいは遅くなる)
・実は初対面から「こいつ何だかな〜」と思っていた。(※)
こう冷静に見てみると、私が執心していたこの彼は
「どうやらマメに連絡するタイプではなさそうだ」とか
「これは…脈なしでは…」とか
「普段会っている時もマイペースだし、ラインのペースもマイペースな人か」とか、
まあ誠実で時間にきっちりというタイプではなさそうだ、
ということがうっすら見えてくると思います。
なので「この人がきっちり約束を守る人間かどうか」と言うのは何も判断できません。
それに実は初対面から「こいつ何だかな〜」と思っていた。
と言うのは案外バカにできません。
愛着障害あるあるかもしれませんけど、瞬時に私たちは見分けるんです。
自分の愛着スタイルに合った、バッチリ自分を傷つける相手を!
もはやこれは念能力(ハンターハンター)に匹敵するほどの能力だと思います。
それくらい私たちのセンサーは磨かれています。
だから「この人なんかな。違和感があるんだよな」っていうのはだいたい正しかったりします。(もちろん100%ではないです。間違ってることもありますよ)
で、そんな「なんとなく信用ならないアイツ」だったのが私の好きな人です。
そういう気持ちがありながら、また気がついていながらも私は安易に
「彼はきっとそんなことはしないだろう」と思い込みました。
何故って?
だって「ドタキャンされる」なんて思いたくないですから。
せっかく好きになった人ですし。
だって「脈がないかも」なんて思いたくないですし、知りたくないですから。
せっかく好きになった人ですし。
だって「誕生日にドタキャン」なんて、人生のうちに何度も起こるわけない、
いや、起きて欲しくないわけです今回ばかりは!!
そんなことが起きるかも?なんて疑いたくないわけです、好きになった人ですから!!!
こんな思いがあるわけです。
掘り下げれば、こう言ったことも出てくるわけです。
もっと自分の内面を掘って行くと更には「彼を信じられない私」が出来上がった過去、
「彼を信じられない私」がいることにも意味があること、
とか様々なことにも思いを馳せることができます。(今はやりませんが)
こうして自分の「彼を好きなのだけど、どこかで彼を信じられない(信じようとしない)私」の気持ちと、
「でも彼を好きでいたい(せっかく好きになったし)」という気持ちと
ただ単にそこにある客観的事実と、さまざまな気持ちがない交ぜになっていることがわかります。
なので、紙にこう書き足しましょう。
<彼を疑う私と、彼を信じたい私がいる。そのどちらも私で、それでいい>
自分の気持ちもそうですが、100%白黒つけられることばかりじゃありません。
それが当事者になってしまうと分からなくなったり、
本当はわかっていても目をそらしたくなってしまうのですが、
ご自身で愛着障害を克服しようとがんばっておられるなら、
自分自身の本当の気持ちと向き合うことと、客観的事実を照らし合わせて考えること、
そして白黒をはっきりとつけない、「何が正しいのか」とか
「正しさ」にとらわれず、ただあるがままを受け入れるということはとても大切です。
ドタキャンという出来事は確かに起こりました。
でもそこに「私のことを嫌いだから、それを分からせるためにわざと誕生日の朝にドタキャンしたんだ」と辛くて悲しくて屈辱的な解釈をつけているのは
ほかならぬ私自身です。
自分が自分を一番痛めつける方法を知っていますから、
一番されて嫌なこと、最悪なこと、傷つくような解釈を自分に与えてしまいます。
そんなのは、辛すぎます。
今まで人知れず頑張ってきたあなたです。
言いたいことも言わず、相手を思いやって自分が耐えればいいと犠牲してしまったあなたのことを、どうかこれ以上責めないであげてください。
4、今後その相手とどうなりたいのか、ありのままの気持ちを書く。
「今後その相手とどうなりたいのか?」あなたの希望を書きます。
相手とやり直したい、もう一度だけ会って話したい、友人関係を継続したい、
と関係性をつなぐことから
綺麗さっぱり忘れたい、なんとかギャフンと言わせたい、
などありのままを書きます。
ただこの「今後どうしたいか」という視点がない人もいるかもしれません。
っていうかドキッとした方、いませんか?(笑)
正確に言ってしまうと
「今後その人とどうなりたいのか、実は自分でもよく分からない」
ということもよくあると思います。
もしわからない場合は「その人とどうなりたいのかわからない」と書いておきます。
実はこの項目の中で最終のこの項目はとても大切なので、
文章をいちいち分析するのがいちいちめんどくさいな〜と思った人は
とりあえずすっ飛ばしても良いので最終項目だけは決めておいてください。
最後に。
この作業はとても大変なので、1日でやりきろうと思わないでください。
あなたが伝えたいことを言えなかった相手がどなたかは私にはわかりませんが、
相手のことを好きであればあるほど、
大切であればあるほどたくさんの感情が生まれてきます。
なので休み休み、時間をかけて自分と向き合って行って欲しいと思います。
「今すぐ伝えなくちゃ」「早くしないと時間がない」なんて思わないでほしいです。
急いてはことを仕損じます。
どのみちもう「言うタイミング逃しちゃったなあ…」なんてウジウジ悩んでいたのではありませんか?
ならもう少しくらい遅れても構わないので、
一度しっかり自分と向き合い「何を伝えたいのか」を掘り下げてみるのも悪くはないんじゃないでしょうか。
自分の気持ちが見えていない中で「私のこと、わかって!」と勢いだけで突進しても、
相手はエスパーではありませんから、
あなたの長い時間をかけた葛藤なんて想像もつかないと思います。
ならば、自分の気持ちを自分が一番わかってあげ、
なおかつ相手にも受け取ってもらいやすい形にして届ける方法を探してみませんか。
<蛇足>
ブログの性質上、分析した文章はある程度要約して書いていますが、
どんな書き方をするのもあなたの自由です。
「仕事とか絶対うそ〜。でも思い込みかも?確かめる術は私にはないもんね〜」
とか、気負いのないように好きなようにやってみてください。
<今回の分析まとめ>
<仕事が入ったからドタキャンと言われたが、私はそれを信じなかった>
<けれど本当に仕事だったかどうか、確認する手段は私にはない>
<彼を疑う私と、彼を信じたい私がいる。そのどちらも私で、それでいい>
<今後私は彼と〇〇という関係になっていきたい>(※書き方は自由です)
無事に全部書けたらこれを元にして次のステップへ進んでいきます。