好きな歌を持つ
どうしても問題のある異性を好きになってしまう。
私は付き合うことに関する恐怖から
「いい感じの異性がいてもなぜか付き合わずに終わる」という状態を繰り返していた。
付き合うときはいつもボランティア感覚で相手のことを見下していることが多かった。
「こんな非常識でブサイクで馬鹿な男と付き合ってあげている私」
だったので、相手に何か要求されている(例えば「もっとメールの返事してよ」とか、「こういう服装にして」とか)と感じると
「は?何この私に要求してるの?身の程を知りなさいよ、図々しい」
と感じて相手に対して嫌悪感がわく。
時には●したいほどの憎悪があるにもかかわらず、
嫌だと言い出せなくて相手の要求にひたすら合わせてしまい、
合わせた分だけまた相手を憎み見下すということをしていた。
ただ、表面的には相手に「それは嫌だ」ということを言っていないので、
相手は私が心の中でマグマを噴出させていたことは知る由もない。
そうして相手の要求をどんどん飲んでいくと、当然ながら要求はもっとエスカレートする。
当然ながら私の爆発する時期がやってくる。
爆発イコール拒否なので、別れ、無視、拒絶する。
相手はなぜ私がこんな行動に出るのかはわからないまま終わる。
付き合いが終わった後に残るものは何もない。
付き合いが長かった割に、思い出も得るものも与えるものもない、ひたすら虚しい時間とお金の無駄だった問いう思いが湧き上がる。
私には理想の夫婦像、恋愛像というものがなかった。
だから相手に合わせて自分を押し殺し、変え、意見を言わない、甘えない。
その代わり相手は図々しい要求(私にはそう感じられる、なぜなら私は相手に何も望まないから)を繰り返しワガママになっていく。
そこに私が甘える余地はない。と勝手に感じて相手をひたすら嫌悪し見下していた。
そして見下している相手に奉仕しているようで、いつも屈辱を感じていた。
こうして見るとただの変態ドMである。
少しおかしな恋愛観を持っている人に対するカウンセリングで
「本当は自分はどんな恋愛をしたいのか、その理想を描いてみましょう」というものがあることを知った。
そんなことに何の意味が?と思ったが、私には理想の恋愛像や夫婦像などなかったことに気がついた。
でも自分で0から理想の恋愛を思い描くと、必ず自分が不幸で報われない恋愛像にしかならないので、自力でやることはやめようと思った。
さてどうしようか、と思った時、なんとなく音楽の世界に目を向けてみようと思った。
想像に難くないだろうが私は天野月とか昔のL'Arc〜en〜Cielとかブリグリとか、陰鬱で湿った暗い世界感の音楽が好きだった。
あとは宇多田ヒカルとか、鬼束ちひろとか、おそらく同じような苦しみを抱えていそうなアーティストがとにかく好きだった。
ネガティブで救いがなく、そこからの叫びみたいな音楽と歌詞に感情移入しやすい育ちがそうさせたと思う。
ある時、L'Arc〜en〜Cielが「瞳の住人」という曲を出した。
ラルクにしては珍しく幸せな歌だった。
その当時に聞いた時も好きだなと思ったが、なんとなくまた聞いてみることにした。
今聞いてもとても好きだと思う。
相手への愛情に溢れて、とても愛しく思っていることがありありと伝わってくる。
そんなまぶしい歌。
ああ、こんな風に想い想われるのっていいな。そう思った。
それを皮切りに私は幸せな恋愛を歌った曲を探し始めた。
そうするとどんな男性が良くてどんな恋愛がしたくて、本当はこういう風にしてもらいたかったということが見えてきた。
私の理想
三浦大知 「ふれあうだけで 〜Always with you〜」
Jamestown Story「cry」
JUJU「やさしさで溢れるように」
今からでも遅くない。こういう恋愛をしよう。